簡単に覚えてどこでも口に出来る口誦の詩 俳句
「定型の魔力」という本の中で、俳人の坪内稔典さんはこんな風に俳句を表現しています。
「俳句についてはいろいろな見方がありますが、季節の詩、自然をうたう歌、日本的な象徴詩と見る人など、実にさまざまですが、私は、この形式が極端に短いということから、まず覚えやすい詩だと考えています。覚えやすい作品であるためには、口調が良くて音楽性に富んでいることに加えて、認識や感覚や表現方法に、新しさや意外さが必要だが、ともあれ、小説や自由詩と比べると、なんといっても俳句は覚えやすい。つまり、俳句は、簡単に覚えてどこでも口に出来る口誦の詩」 (HPより)
この俳人の方のコメントにあるような和やかな雰囲気で俳句を詠まれている団体が、今回ご紹介する『松籟俳句の会』です。
雰囲気はとても和やか
松籟俳句の会では、現在10名の方々が活動されています。雰囲気はとても和やかで、自由に言いたいことを言いながら活動されています。
活動場所は町立福祉センターの隣に建っている“地域センターまんてん”の2階。毎月第1金曜日の午後に皆さん集まられています。以前は先生がおられましたが、現在は代表の川村文英さんを中心に、前の月最後に出された“お題”について1か月を掛けて4句を詠まれ、会当日に持ち寄られて好評するやり方のようです。この1か月の時間がとても大切で、日常生活の細かい部分や季節や自然など日頃フッと過ぎてしまうような事柄にも気持ちが向くような時間の過ごし方ができるようです。
生活がとっても彩のあるものになりますよ
代表者の川村さんは、仲間同士で言いたいこと、聞きたいことを聞き合いながら時間を過ごせるのが良いのではないか、とのこと。俳句と言うと何となく身構えてしまいますが、小学校等で習ってきたことを詠むだけなので、なにも肩に力を入れなくて参加できますよ、と会の雰囲気を表すような柔和な笑顔をこちらに向けてくれた。前の月のお題から季語を意識しながら4句を詠みますが、日ごろの暮らしの身近なことにも気を向けることが出来るので、生活がとっても彩のあるものになりますよ、とのコメントもいただく。
日本の良き文化、日本の季節や自然に触れる
実際の“選句”や“清句”の場面に立ち会わせてもらいましたが、選んでいる際の皆さんの表情を真剣そのもの。少し前までの和やかな雰囲気は一変し、ピンとした空気が流れます。そして“選句用箋”に記した句を詠み、お互いで講評をする。その際、自分が詠んだ句が選ばれた時の笑顔は嬉しさに包まれていました。代表者さんが仰っていましたが、詠んだ句では誤字はダメのようで、皆さん電子漢字辞典を持参されています。日頃パソコンで変換して字を書くことを忘れがちな現代人にこそ、必要な要素が詰まっている『俳句』であると感じました。
最後に、会に参加するにあたって事前に勉強する必要はある?と伺ってみましたが、先ずは仲間に入ってみて、参加されている皆さんの句を聴いて習っていくので、なにも準備しなくて大丈夫ですよ!とのこと。日本の良き文化、日本の季節や自然に触れる機会として、なによりご自分の『脳の活性化』にも良いですので、是非参加してみてはいかがでしょうか!
活動場所 | 地域センターまんてん 2階 |
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活動日時 | 毎月第1金曜日 午後1時から |
会費 | 3,000円(3カ月) |
会員 | 10名(全員女性です。男性の参加もどうぞ!) |
会員募集状況 | 募集中。見学や参加申し込み等いつでも可とのこと |
持ち物 | 漢字辞典や歳時記(季寄せ) 参加当初からでなくても大丈夫 |